踊りと芝居がひとつになって物語として展開する形式を舞踊劇『ラコーンラム』といいます。ラコーンラムは、アユタヤ時代に発祥して以来今日までタイ特有の舞踊芸術として発展してきました。
タイの舞踊劇は大きく3つに分類することができます。(形式的には7つに分類されます。《構成図参照》)


「チャートリー」とは、「男らしい、勇ましい」という意味です。ノーラーチャートリーはインドのヤートラという男性3人で上演する旅芝居がタイに入ってきて発展したものです。ノーラーチャートリーを演じる時、男性主人公は古典舞踊の衣装を身につけますが、女性主人公は男性が演じるため布を体にまいたりして女性らしくみせます。わき役は仙人なら仙人らしく、家来なら家来らしく、それぞれの場面に合わせて衣装を変えます。芝居を上演する形式は、「ワィクルー」という師匠を敬う儀式を行い、太鼓を演奏してお客を呼び、男性主人公役の役者が師匠を敬う踊りを舞い、全て終了したのちに劇が上演されます。
ノーラーチャートリーの特徴は、役者が自ら唄い台詞を言い踊ったりすることです。踊りの型はインド舞踊に近くヨガの要素も入っているので、訓練を受けた柔軟な体でなくては踊ることができません。
ノーラ−チャートリーとして演じられる物語は『マノーラー』と『ロッタセーン』だけに限られています。

ラコーンチャートリーはノーラーチャートリーから発展し、後にラコーンノーク(宮廷外舞踊劇)の影響もうけ発展しました。ラコーンチャートリーの出演者は男性3人に限らず、多数の踊り手が参加し上演しました。衣装や音楽をみると、ラコーンノークの影響を色濃く見ることができます。また、劇の内容も最初は『マノーラー』をよく演じていましたが、庶民が盛んに演じたラコーンノークの代表作『チャイヤチェート』や『サントーン』も演じられるようになりました。ラコーンチャートリーは、ストーリーの展開が早く、踊も比較的早いテンポで踊られます。音楽はトーンやクローントゥックなどの打楽器を使用して躍動感溢れる独特なリズムになっています。


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